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 肥満と並び、皮膚の悩みで獣医師を訪れる飼い主が多くなっています。「昔に比べて、皮膚のトラブルに悩む犬は増加傾向にあり、室内で飼われる小型犬、特にシー・ズー、ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアなどに多く見られます」(CDSペットクリニック沼田病院・加藤悦朗院長談)
 症状もさまざまで、最近多いのは、“かゆがる、皮膚が赤くなる、毛が生えない、脱毛”などの悩み。原因は、個体差によって異なるものの、
「純血種が遺伝的に備えている環境・気候に適応していないことが背景にあり、環境的要因や遺伝的アトピーが多いと思う」(ノア動物病院城東センター病院・林文明院長談)
「人間が質素な食事から栄養過多になったことでアレルギー疾患が増えたように、犬もタンパク質の摂取で、アレルギーになる例も見られる。また、環境的影響による吸引性アレルギーも多い」(天童動物病院・栗田徹院長談)
 といったような要因が考えられます。しかし原因を特定しようにも、「食物・ハウスダスト・スギ等、アレルゲンとなる物質が一つではないので、原因究明に時間がかかり、100%特定するのは難しい」(前出・加藤院長)ため、根本的な治療が困難なのが実情のようです。
 病気ではなくても、犬特有の “におい”も、飼い主の悩みの一つ。原因として、
「主に皮脂腺の分泌物に由来する」(ふるや動物病院・古屋昭光院長)
「犬が汗をかくのは足の裏なので、体臭自体はないが、皮膚や被毛に付着する雑菌が原因でにおう。耳の疾患があると、耳の内側もにおう」(前出・加藤院長)
 また、「ヨークシャー・テリア、パグ、シー・ズーは皮膚が脂っぽく、マルチーズ、トイ・プードルはにおいが少ない」(前出・栗田院長)というように、犬種によってにおいの差がありますが、ほとんどは皮脂、つまり皮膚の脂分に汚れや細菌がつくことでにおうようです。

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 皮膚トラブルやにおい対策は、皮膚を清潔にするのが基本。日ごろから愛犬の皮膚や被毛のコンディションを保つ心得として、次の点に留意が必要です。
「毎日のブラッシングが大切。皮膚を傷つけないよう、先が丸く柔らかいものを直接皮膚に当てて血行をよくする」(前出・林院長)
「室内犬は年中、毛が抜ける傾向があるので、無駄なアンダーコートをブラッシングする」(前出・加藤院長)
「ブラッシングで被毛の空気の通りをよくし、毛玉や毛のもつれをなくす」(前出・栗田院長)
「シャンプーと食生活に気をつける」(前出・古屋院長)
 こうしたスキンケアは愛犬とのコミュニケーションにもなり、“見て、触って、においを嗅ぐ”ことで、体の健康状態を把握できます。「首に湿疹がないか、触られて嫌がったり、かゆがったり、痛がったりしないか」(前出・加藤院長)、「フケ、体表のしこりがないか、赤みがないか」(前出・林院長)などをチェックすれば、さまざまな病気の早期発見にもつながります。

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 犬は汗腺がなく、皮脂腺が多く、pH(水素イオン指数)も人間と同じではないので、人用のシャンプーではなく犬用を使います。
「全身をしっかり洗い、シャンプー剤を残さず、しっかりすすぐ」(前出・林院長)
「皮膚疾患がある場合は、熱すぎないように30度後半のお湯でシャンプーする。ドライヤーも体表温度を上げるので、暖かい部屋での自然乾燥が理想」(前出・栗田院長)
 などがポイントですが、逆に洗いすぎは、「皮脂腺から分泌される脂分が被毛にツヤを与え、水を弾き、皮膚を守る役割を果たす」(前出・栗田院長)ため、ある程度、脂分を残しておかないと、乾燥肌などの皮膚トラブルを引き起こす恐れもあります。
 シャンプーで毛包(毛穴の奥にある毛根を包む部分)までしっかり洗浄するのは難しく、質のいいシャンプーでも、成分が合わなければアレルギーを起こすこともあるので、まずは飼い主がそのコに合うシャンプーかどうかを見極めることが大切です。

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 シャンプー等の化学薬品を使わず、皮膚にストレスを与えずにスキンケアできる方法として注目されているのが、「マイクロバブルバス」です。気泡径10ミクロンという泡で皮膚と被毛を洗浄し、皮膚トラブルやにおいの原因となる毛穴の奥の皮脂や老廃物を除去します。マイクロバブルバスを導入した獣医師さんは、
「薬物療法に頼らず、薬用量を少なくできればと考えて」(前出・古屋院長)
「消毒薬がキズを治そうとする細胞まで壊すので、人間でも外傷は水で洗い流すようになっている。清潔にするにはまず“洗い流すこと”。シャンプーは余計な成分が皮膚に残り、それが反応してアレルギーを起こすこともある」(前出・栗田院長)
 というように、皮膚に負荷を与えず、水の力だけで洗浄できる点を評価しています。

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 マイクロバブルバスは、気泡が肌の表面をやさしく刺激し、古い角質を除去します。さらに取り除いた汚れを泡が吸着するため、体に再付着しにくくなります。皮脂をしっかり落とすので、ドライヤーの乾燥時間も短く、「毛のフワフワ・サラサラ感が3、4日続く。毛質がまったく違って生き生きしている」(前出・林院長)という効果もあります。また、気泡と水流で皮膚に適度な刺激を与え、血行を促進する効果や、ジャグジー風呂と同様の水流によるマッサージ効果・癒やし効果も期待できます。
「最初嫌がったり暴れたりするコも、しばらくするとおとなしくなるので、癒やし効果はあると思う」(前出・林院長)
「人間がお風呂に入ると血行がよくなるように、水流が細胞を刺激するので、毎日入れば、脂肪が燃焼しやすくなると思う」(前出・加藤院長)
「皮膚トラブルがある場合は、薬に頼らない治療法の一つに考えられる」(前出・加藤院長)
「皮膚疾患のコも健康なコも、健康維持の方法として入浴してほしい」(前出・栗田院長)
 というようにマイクロバブルバスは、スキンケアの一手法という以上に、愛犬の心身に多くの効果をもたらす健康維持のためのヘルスケア法として、さまざまな可能性が期待できます。家族の一員として、私たちとともに暮らす愛犬。人間と同様の生活形態の中で暮らすようになっているからこそ、日々のスキンケアは、愛犬にとって大切なヘルスケアであり、健やかに暮らすための第一歩でもあるのです。

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