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ホーム > WOOFWOOFマガジン > とぶ(tobu) > woofwoof Living vol.1愛犬との快適住まいin北欧 スウェーデン・デザインは木のぬくもり

 北欧には北欧ならではの独自のスタイルが家屋にあります。大陸ヨーロッパの大半の国で石造りの家が主流なのに対し、北欧は森と湖の国ならではの木造建築に特徴づけられます。なんといっても教会ですら木造りですからね。そこには木からの温かみ・香りがあり、それゆえ北欧人は建築に木という天然の素材を使うことに特別のこだわりを持っているようです。その点は日本人とよく似ていますね。スウェーデンの家では窓枠だってアルミではなく木枠です。当然床もアメリカやイギリスのように部屋の端から端まで絨毯で敷き詰めるということはせずに、できるだけ床の木の地を見せたままにしておきます。
  さて、スウェーデンでは、90%以上の犬が大きさにかかわらず室内で飼われています(統計によると外でつながれたまま飼われている犬は全体の3%)。自然の素材をたくさん使った北欧の家が、犬にとっても健康的な住環境になるのはいうまでもないでしょう。ビニール製フローリングでよく大型犬が腰を痛めるようですが、木の床なら滑りにくいし適度な柔らかさがあるので、犬の脚にはやさしいはずです。それに少々汚されても簡単にふき取れるので衛生的です。ただし木は柔らかいので、床が犬の爪によって傷つけられる欠点はあります。床の材木にはさまざまな種類がありますが、犬を何頭も飼っている家庭では硬いカシの木の床が好まれます。ただしどんな種類であろうとも、木の部分は贅沢にもかなり分厚く、特に古い家屋であれば厚さが2センチメートルということもあります。ですから、床を張り替える代わりに紙やすりのついた研磨機で床表面をスムーズにして、一新することもできます。そう、木の床はとても経済的でもあるのです。

 

 スウェーデンは自然が厳しいだけに、木造住宅とはいえその家屋の気密性、断熱性は非常に高くマイナス20度の冬の日々でも快適に暮らせます。しかしそんな気密性が高い家で、人にとって衛生的に犬の室内飼いができるのか、と心配する向きもあるでしょう。特に犬の毛が抜けるときはフケが生じ、それがハウスダストを余計に増やします。しかし気密さを追求してきたゆえに、かえって家屋の換気技術も同様に進んでいるのです。各部屋の天井には給気口があり、外からの新鮮な空気が入ってきます(冬は空気がいったん温められてから部屋へ送り出されます)。そして排気口はトイレや台所に設けられています。一年を通して、たえず新鮮な空気が家中を循環しているので、たとえ動物がいてもあまりにおわないのです。

 北欧では特にペット仕様の家とか、ペット可のマンションやアパートが目玉となって、物件が売り出されることはありません。というか、犬を室内で飼うのは大前提となっているので、入居前にわざわざそんな質問をする人も、またペットがいるからといってとがめる大家さんもいないのです。つまり誰もが自由にペットを飼うことができる、これは欧米でも非常に珍しく、また恵まれた環境ともいえるでしょう。カナダにいたとき、ペット禁止のアパートがたくさんあったのを覚えています。
  そんな社会が実現されている理由のひとつとして、非常にきれい好き/家のメンテナンスをこまめに行う、という北欧人の国民性があるからではないかと思います。ペットがいるために家が汚されるという懸念は、この社会にはほとんどないようですからね。外国といえば土足でずかずかと家に上がるのが普通だと思われるかもしれませんが、なんとスウェーデンでは日本と同じように玄関でいったん靴を脱ぎます。これだけでも家に対する彼らのきれい好きさが推し量れるでしょう。ですから散歩から帰ると自分の靴を脱ぐと同時に、愛犬の足もよくふいてから家に入れるのが普通です。
  ただし私のように田舎に住んでいる場合、砂利道が多いので雨が降ったときは大変です。犬はお腹まで泥ですっかり汚れていますから。そこで飼い主は各々工夫を凝らし、家に入る前にとにかく犬を必ずきれいにしておきます。車庫に犬用のバスタブを設けたり、玄関の横に簡単なシャワー室を犬用に作る人もいます。郊外ではお勝手口と玄関が二つある家が一般的で、そのお勝手口を犬用の玄関にしている家庭も少なくありません(わが家もそうです)。お勝手といっても日本のように台所に直接つながっているのではなく、たとえばベースメントやガレージの横から入れるようになっており、いわば人の目につかないところにあります。ですからドロドロになった犬を入れるには、このお勝手口がとても重宝。メインの玄関は汚されずに、きれいに保つことができます。お勝手口の近くにはたいていゲスト用のシャワールームか洗濯場があり、ここを犬の洗い場として使っている家庭も多いようです。