愛犬との暮らしをもっと豊かに楽しくするために

ホーム > WOOFWOOFマガジン > まなぶ(manabu) > DADカウンセリング vol.7





静岡県生まれ。女優。1974年、映画『赤ちょうちん』『妹』『バージンブルース』に立て続けに出演し、華々しいデビューを飾る。その後、『異人たちとの夏』(1988年)、『深い河』(1995年)、『ムコ殿』(2001年)、『青の炎』(2003年)など数多くの映画やテレビドラマに出演。『深い河』での第19回日本アカデミー賞優秀主演女優賞をはじめ、受賞歴も多数。2007年9月、早稲田大学大学院公共経営研究科入学。同年、オフィシャルブログ『kakugen』を収録した格言エッセイ『ドレスの下に』(青山出版社)を発売
オフィシャルウェブサイト
http://www.akiyoshikumiko.jp/
オフィシャルブログ
http://www.akiyoshikumiko.jp/blog/


 
 

編集部 先ほどから拝見していると、秋吉さんとフランソワーズ君の間には、心と心が通じ合っているのが伝わります。まさに理想的な関係と言えますが、日常生活で何かお悩みはありますか?
秋吉 フランソワーズは、子どもの頃から食が細かったのですが、最近はドッグフードをあまり食べません。お肉や野菜は何度も種類を変えてあげていますが、すぐに飽きて食べなくなっちゃうんです。
 それに、ドッグフード以外のものをあげているとお腹を壊してしまって……。でも、静岡の田舎に行くと、周りにいっぱい犬や猫がいるから、ドッグフードを争うように食べるんです。ボス意識が強いみたいで、他の犬に負けじと食べているんですけどね。
編集部 群れの中に入れば、自分の子孫を残そうという本能が働くのかも知れないですね。それで、健康的な体になろうという意識が高まるのでしょう。また、犬の欲求の中でも、散歩と運動の欲求は特に高いですから、群れに入ると運動量が増えて、お腹もへるようになるのだと思います。
秋吉 東京にいる時も同じようにドッグフードを食べてくれればいいのですが……。やっぱり遊び相手がいた方がいいのでしょうか?

編集部 難しい判断ですが、田舎での活発なお話を伺っていると、それも方法の一つだと思います。もちろん、相性の問題はあります。でも、フランソワーズ君は女のコが好きなので、女のコを迎えるといいかもしれませんね。欲求が十分に満たされ、心と体のバランスがうまくとれれば、食欲も出てくるはずです。全くストレスのない生活はありえませんが、それがあふれてしまった時は、体に異変は起きるものです。
秋吉 フランソワーズは、私から離れるのをとっても嫌がるので、お芝居の稽古場など、仕事場にも連れて行っているんです。このコは周囲の空気をしっかり察知するので、いつもおとなしくしていますが、人間たちのストレスを自然と受け止めてしまっているのかもしれませんね。現場では、時には怒りや罵声が飛び交うこともありますから……。私のストレスまで受けてしまうのかもしれません……。
編集部 その可能性は大いにありえます。そのフォローとして、毎日、一日の終わりにストレスケアをしてあげるとよいでしょう。“今日もお疲れさま。ありがとう”と伝えながら体をマッサージをしてあげると、犬もストレスが緩和していきます。犬は褒められることが大好きですから、一日の最後に賞賛の気持ちを伝えていってください。



編集部 お話を聞けば聞くほど、秋吉さんは犬に対する観察力がとても深く、犬の頭の良さについても、熟知されているようですね。
秋吉 犬は犬種によって頭の良さのタイプが違いますよね。今まで家に居たコ達は、例えば「ベッドに入ってはいけない」と犬に教えても、犬種によって行動はそれぞれ異なっていました。ブルドッグの場合は、こっそりと入って、後でふとんを直しておく偽装工作タイプ(笑)。ミニチュア・シュナウザーは、禁止事項をしっかり守る頭の良さを持っている。フランソワーズは、やってはいけないことを、やってよいことにする頭の良さがあると思います。
編集部 なるほど。でも、それは全部、秋吉さんが、犬の頭の良さを引き出しているからですよ。世の中には「うちのコはねぇ……」と、否定的におっしゃる方もいるんですが……本来、猫も犬も考える動物なんですよね。
秋吉 笑うという感情表現は、人間だけが持つ知能の象徴とも言いますよね。でも、犬だって口を開いて嬉しそうに笑う。よく見ていると気付くはずです。ウインクも知能の象徴だと思っているんですが、フランソワーズにウインクを教えたら、一生懸命やろうとしていました。猫だって、ボールを帽子の中に入れるゲームを教えたら、真似をするようになる。ブルドッグは人間の言葉を20以上も覚えていましたよ。

編集部 やはり、遊びを通して覚えていくんですね。愛犬との暮らしの中で大切なのは、「犬と心を通わせる」ということですが、秋吉さんはそれを実践していらっしゃる。
秋吉 調教(!?)が好きなんです(笑)。それぞれの犬が持っている能力をなるべく引き出したいと思っているんですよ。



    フランソワーズ君は、
オシャレも大好き。
モデル犬としても活躍中です!


 
 

編集部 これまで様々な犬の知性を見てきた秋吉さんにとって、犬と暮らすことで得られるものは何だと思いますか?
秋吉 犬の頭の良さというのは、単純にIQという括りでの頭の良さではないですよね。自然の世界でのある種の神々しい、“本質を知っている”という意味での頭の良さを持っている気がします。私自身、犬から教えてもらうことはたくさんあります。犬だけじゃない、ヒョウからもハゲタカからも教わることはいっぱいある。自然から教わることは多いはずだけど、現代の都市生活は、動物と距離を広げてしまった。だから今は犬くらいしか教えてくれる動物がいないんですよ。犬は、現代の人間が触れられる唯一の“部屋の中の自然”。犬の毛、1本1本にも自然の世界が込められていると、私は思っています。
編集部 具体的にフランソワーズ君からは、どんなことを教わりますか?
秋吉 弱いものに対する母性本能、保護本能を引き出してくれています。格差社会が問題になっている現代の人間社会は、動物社会と同じように、弱肉強食の世界になっている気がします。でも、弱い者に対して愛を差し伸べる力は絶対に必要。それが人の器量とも言えます。フランソワーズには、人として大切な“保護の感情”を教わっています。狩猟犬には狩猟犬の役割が、愛玩犬には愛玩犬の役割がそれぞれあるんですよね。

編集部 今日は本当にいいお話をありがとうございました。これからもフランソワーズ君と幸せな毎日をお過ごしください。
秋吉 はい。フランソワーズへの感謝を大切に、お互い愛情を与え合い、毎日を暮らしていきたいと思っています。